人を亡くした。
知った人を亡くしたのは何度目だろうか。人がこの世にもう居ないという事実。悲哀というよりも衝撃と不明、そして共感。事実から逃げようが逃げまいが、死はいつも、粛として扉の向こうから、私たちを手招きする。
誉、泥酔、慕情、自尊心...
だが、そんなもの、人間の死という現実の前ではどうでもよいのだと思った。
悲劇のヒーロー気取りで、駄文を連ねる自分を客観視し、また未来に絶望し、過去に後悔する。
それもまた、どうでもよいのだと思った。
静謐な無限宇宙の中、一人の命が、あの瞬間に潰えた、という事実。
何か出来たことと、何か出来ることは、それぞれ、生者への慈悲と、死者への悼みに置き換えて...
ときに藻搔き、狂いながら、生き抜く。
地に足付けて、歩いて行く。